満腹詩人ブログ

ぐっすり眠ってたらふく食らい、好んで味わうセンチメンタル。悩みらしい悩みもないのだけれど、幸せだとは思っちゃいない。ぼくもあなたも「まんぷくしじん」- まだ何を書いていくか定まらない多文量ブログ。

「ヘッドフォンは死んだ」 私が観ている世界、その本当の姿について。

8月某日。
小生、夜道を散歩する。

 

ふらふらと、あてもなく歩く。


昼間は暑すぎるので、
この季節は出歩くならなるべく夜だよね。

 

夏休みの頃には、ちびっ子たちがベンチで
花火をしていたりするからいろいろ気を揉んだけれど。
すっかり静かになってきて夜らしくなってきた。

 

気温は下がらない。
でも秋の虫みたいなものも鳴き始めている。
なかなか夜らしくなってきた。

 

公園を抜け、
住宅街を眺め。

 

猫に話しかけ、
手を伸ばして逃げられ。

 

通りかかった犬の散歩の人に距離を取られ。

 

などしているうちに、
ふと掲示板のポスターに目が止まった。

 

ヘッドフォンの大きなポスターだ。

 

f:id:hasusu:20130903033957j:plain

 

ヘッドフォンの宣伝を、
こんな街中で見かけるなんて珍しいね。
どこのメーカーのやつかしら。

 

真っ白な背景に黒いヘッドフォンの写真。
ありがちなレイアウトだとは思うけど素直に映えるね。
おしゃれ系ヘッドフォン。

 

上の方に文字がもにょもにょ書いてあるみたいだから、
きっとイメージポスターみたいなやつだろうな。
ちょっと詩的な長いコピーでも入ってるんだろうな。

 

ところで、小生、
なかなか目が悪い。

 

小6までは視力2.0だったんだけど。
そこからぐんぐん下がって、
いまでは両目を使っても0.1ない。

 

そして裸眼ライフ。
(もし機会があったら、小生に、
「なんでメガネしないの?」って尋ねて下さい。
そのときは「コンタクトは?」も忘れずに。)

 

話が逸れた。

 

小生の視力でいうと、
もっと風景がぼやけてダブる感じだが、
まあなんとか近いイメージの写真が撮れたと思う。

 

小生、夜道でヘッドフォンのポスターに対峙する。


こんなポスターを、
こんなところに貼るのは
どこのメーカーだろう。

 

このポスターに書かれている
もにょもにょは、どんな内容だろう。


しっかり確かめておいて、
あとでグーグル先生に詳しく尋ねてみよう。


ぐんぐんヘッドフォンのポスターに近づいた。

 

そしたら本当はこうだった。

 

f:id:hasusu:20130903034610j:plain

 

あれま!
ヘッドフォンじゃなかった。

 

それはヘッドフォンではなくて、
ずいぶん気合いの入った、
セピアを超えた貫禄のお姉さんのポスターだった。

 

お姉さん・・・、
この夏ずいぶんここで
がんばっていたんだろうな・・・。

 

すっかり色味を失った上に
(仮にも女性であるから色気を失ったとは書くまい)
雨風に晒されてぼろぼろであった。

 

これはもう歴戦の勇士というべきか。

 

歴戦の勇士のお姉さんの頭上には
「おかえり」などと書いてある。

 

近づく前は、メーカー名だと思っていて、
4文字だからSONYなどと書いてあるのかと
思っていたのだが、違った。

 

SONYの正体は
「おかえり」だった。

 

ヘッドフォンの正体は
「歴戦のお姉さん」だった。

 

ヘッドフォンは死んだ。

 

まあ死んでしまったのならしょうがない。

 

帰ったらヘッドフォンについて
グーグるつもりであったが、予定が狂った。

 

予定が狂ったのならしょうがない。

 

代わりに歴戦のお姉さんに
敬意を表することにした。
(これは非実在ヘッドフォンへの哀悼の意でもある。)


小生、夜中に「おかえりお姉さん」についてググる

さて、お帰りお姉さんの正体は。

 

どうやら法務省の唱える
社会を明るくする運動」の
一環であるらしかった。

 

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おかえり。社会を明るくする運動 - 法務省

 

リンク先で、色あせていないお姉さんが観られますぞ。

 

そしてお姉さんのご尊名は、
五明祐子さんというらしい。

 

名前からして明るい感じで、
このキャンペーンにぴったりですね。
5倍くらい明るいのねきっと。

 

社会が明るくなるのは結構なことだと思います。
でも明るいのは昼だけにしておいて頂きたいですね。
というか夜は暗くしておいて下さい。

 

実は小生、7代前までバンパイアという設定。
だいぶ血が薄まってますから直射日光で灰になったりはしないけど、
夏の日差しレベルになるとさすがに油断大敵で、
軽くとろけそうになっちまいますからさァ。

 

だからまあ夜くらいね、
しっかり暗くね。
よろしく頼んますわ。

 

暗くないと夜中の散歩の
意味がなくなりますからね。
日差しがこわいね。

 

夜は暗く。
社会は明るく。

 

紫外線はカットして。
虫の声はもっと足して。

 

さよならヘッドフォン。
がんばれお姉さん。

 

小生、夜道を散歩する。

 

ふらふらと歩きながら、
道ばたでシャッターを切ったりする。

 

おまわりさんに話しかけられたことは、まだ、ない。

 

 

・・・それじゃあまたねー。

 

 

 

ヘッドフォン×お姉さんといえば思い出す。もうこういうの絶版かなあきっと?

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