満腹詩人ブログ

ぐっすり眠ってたらふく食らい、好んで味わうセンチメンタル。悩みらしい悩みもないのだけれど、幸せだとは思っちゃいない。ぼくもあなたも「まんぷくしじん」- まだ何を書いていくか定まらない多文量ブログ。

ダイアン吉日 - カレンダーの先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口って何?

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9月某日。
大安だの仏滅だのいうけど、そういえばそれって何だろう?

 

スケジュール帳の季節なんでしょうか。
ちまたの文具屋や本屋の入り口あたりなんかに、
2014年の手帳を見かけるようになってきましたね。

 

手にとってみてみると、
この時期に売っているのに10月始まりではないものの方が
多いように見えたのが意外だったのですが、
10月始まりにしてしまうと、この時期を逃したときに
売れ残り感が出てしまうということなんでしょうか。
そう考えればそういう物かも知れません。

 

私自身は、スケジュール帳のようなものを使ったことが無くてですね。
なぜかというと「覚えきれる以上のスケジュールを組んだことがない」からです。
いいことなのか悪いことなのかは分かりませんけれども、そういうことです。

 

一度、日記的にでも使ってみれば楽しいかも?と思って、
いいやつを買ってみたことはあるのですが、
このブログの運営状況をご覧いただければお分かりいただけるように、
もうそういうこと自体がなかなか継続しない根性無しですからね。

 

そのときには、
せっかく買うのだからとでかくて重い、
買ったけど使わない、
使わないけど持ち歩く、
でかくて重くて持ち歩くせいで被害が大きい、
という地獄のループに陥いったので、
当面は持ちたくないなと思っています。

 

関係ない話でした。

 

さてスケジュール帳なるものを見てみると、
多くの場合日付とは別に、
当たり前のように大安、仏滅、友引、もにょもにょ、
などと書かれています。

 

一見、周期的に繰り返されているように見えますが、
ところどろこランダムにしか見えないところがあることに、
人生で初めて気がつきました。

 

はて、いったいこれはどういうルールなんでしょう?

 

そういえば、大安とか仏滅みたいなのはともかく、
赤口だの友引だの、いいのか悪いのか分かりませんし、
先勝だの先負だのはなんか完全に手順のある占いっぽいし、
そもそも正しい読み方についても私の見識は怪しいです。

 

気がついてしまった以上、仕方がありません。

 

武器はどこだ!
・・・というわけで調べて観ることにしました。

 

インターネッツを小一時間徘徊。

 

名前は六曜(ろくよう)

先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口で、
6種類あるから「六曜」です。

 

・・・6種類しかないってご存じでした?
私は知りませんでした。
もっとあるかと思っていた。
たまにしか観ないレアなやつとか。

 

我々が普段よく呼ぶ一週間の曜日、
月・火・水・木・金・土・日、
7種類あるこれの方を七曜と呼び分けるそうです。

 

もうちょっと区別を強調するために
六曜の方を「六輝(ろっき)」という呼び方もあるようです。
どちらも聞き馴染みがないのですが、
おそらく六曜の呼び方のほうが一般的だと思われます。

 

由来はグダグダ

六曜は、三国志諸葛亮孔明が考案し、
これに基づき作戦を立てて勝利を重ねた・・・などという
孔明起源説がまことしやかに散見されますが、
資料的にはそこまで古い由来を持つとは疑わしいそうで、
また14世紀中頃までに中国(この頃はモンゴル系の元の国)から
日本へ伝わったというのが通説となっているようですが、
これも確たる証拠はないように見受けられます。
グダグダです。

 

特にグダグダでお気に入りなのは、
由来や解釈、順序について変化を繰り返しており、
さらには赤口を除く6種類中5種類が、
名前自体も変化させてしまっているというところですね。

 

ここまでグダグダだと、もうこれ以上
詳しく調べなくても良い気がしてきてしまいます。

 

しかし、乗りかけた船。
毒を食らわば皿まで。
捕らぬ狸の皮算用。

 

現代のトレジャーハンターとなるべく、
引き続き調査にあたってみようと思います。
もはやそこには宝もロマンもなさそうだけれど・・・。

 

定まった順番はあるが順番を無視した基準日もある

現在の六曜のルールでは、
①先勝
②友引
③先負
④仏滅
⑤大安
赤口
の順にめぐるようです。

 

ただし、月によって、
どの曜日から始まるかが別途決まっており、
前月末の曜日と関係なく、
新しい月はその月に応じた曜日から
六曜の順番を始めるそうです。

 

1月1日=先勝
2月1日=友引
3月1日=先負
4月1日=仏滅
5月1日=大安
6月1日=赤口
7月1日=先勝
8月1日=友引
9月1日=先負
10月1日=仏滅
11月1日=大安
12月1日=赤口

 

よく見れば月ごとに①~⑥の順番を
繰り返しているので、規則性はあります。

 

しかし六曜の周期を月ごとに覆すこの特殊ルールが、
知らないで観る人にランダム感を与え、占い的な演出を強め、
人気を保つ秘訣として機能しているようにも思われます。

 

次はそれぞれのいわれについて見てみましょう。

 

①先勝

先勝は、六曜の中では
縁起が良いとされる部類に入ります。

 

さきがち、さきかち、せんしょう、せんかち。
定番の読み方は定まらないようです。

 

「先ずれば勝つ」ということで、
急げば、先手を打てばいい結果が出ると解釈されがちです。
かつては「速喜」、「即吉」などと呼んでいたようです。

 

1日の中でも午前中に始めるのがよいということで、
なんだかせっかちな、江戸っ子みたいな曜日ですね。

 

②友引

フレンドリーな漢字を含む割には、
縁起がいいのか悪いのかよく分からない日です。

 

なぜかというと、「友を引く」と当てられた字のせいで、
凶事にも祝い事にもつなげて解釈されてしまっているからです。

 

もともとは先勝と先負の間ということで、
「引き分けの日」。
良くも悪くもないというのは、
ある意味正しい部分もありますが、
表現として適切とは言い難いですね。

 

当てられていた漢字も、留引という、
停滞するというような意味合いの中国語だったようです。
それがいつのまにか、音が似ているということで、
友引に置き変わったそうなのですが・・・。

 

もともとは「りゅういん」、いまでは「ゆういん」、
さらには「ともひき」だの「ともびき」だの。
もはや原型がありません。

 

旧字などではありませんし、
そんな簡単に漢字を変えてしまったら、
意味合いが変わってしまいそうなのはあきらかですよね。
どういう判断があったのでしょうか。
犯人?考案者?は誰なのでしょうか。
動機が気になるところです。

 

③先負

良くない印象のある日。
しかしもともとは吉日であり、
「小吉」「周吉」と書かれていたそうです。

 

先勝に対応する形で「先ずれば負け」ということですが、
「遅らせば勝ち」ってことでしょうかね?
もはや急がなければ吉、
という解釈でもいいのかも知れません。

 

「せんぶ」「せんぷ」「せんまけ」「さきまけ」などと読めるようです。
私は「さきおい」と読んでしまっていました。
でもこの流れですと「さきおい」でも正解と言われそうですね。

 

④仏滅

出ました、本日のハイライト!
知名度抜群の「ぶつめつ」ですが、
なんと仏は関係ないんです。

 

理由その一。
ブッダは占いを否定している。
ブッダの言葉を重んじる上座部仏教の教典「スッタニパータ」において、
仏徒の占いや呪術は禁じられているそうです。
よって吉日凶日を占う六曜と、仏は関係ないと言えます。

 

理由その二。
もとは仏滅ではなく物滅と書いていた。
なぜ物滅と書かれたかというと、
さらにさかのぼれば「空亡」「虚亡」と書かれていた日を、
万物が滅ぶと解釈して「物滅」の字を当てるようになったから。
よってやはり仏は関係ないといえます。

 

釈迦の入滅を連想させることから、
六曜の中でも抜群に凶日という印象のある「仏滅」ですが、
もはやその根拠が揺らいでしまいますね。

 

でも「おわりは、はじまり」ともいいますし、
仏滅は「何かを新しく始めるのに最適な日」という解釈もあるようです。
私もその方が好みだなと思います。

 

⑤大安とは

何か祝い事があると、
カレンダーもよく見ずに大安吉日などと
言い張ってしまうことが多いんじゃないかと思うんですが、
実際はどうでしょうか。

 

「大いに安し」ということで、
六曜のなかでももはや吉日の枕詞という感すらありますね。
もともとは「泰安」と書いたそうなので、
「たいあん」のほうがより正しいのでしょうが、
「だいあん」でも通じるでしょう。

 

しかしながら、光差すところに陰在り、
水を差すようで恐縮ですが、七曜の「安息日」と同様に、
「何もしてはならない日」とする解釈もあるようです。

 

私はまあ、吉日というのを盾にして、
めでたいと思えることは何でもやったら、
いいんじゃないかと思いますなあ。

 

赤口とは

アンカーを務めますのは、
「しゃっこう」「しゃっく」「じゃっく」「じゃっこう」「せきぐち」
など、自由自在に変化します「赤口」です。
私は「あかくち」と読んでましたが、
これもやはり正解だと言われるような気がします。

 

赤口」は、いちばん古くから、
名前が変わっていないといわれており、
陰陽道の「赤舌日(しゃくぜつにち)」という
凶日に由来しているそうです。

 

この赤舌日というのについて調べてみるとまた興味深くてですね。
赤舌神が6人の鬼を使役していて、
1日交代で門を守らせているそうなんですが・・・という、
この時点で六曜と内容が被っていて面白いんですが、
赤舌日においては、3番目の鬼神である羅刹神が、
乱暴者だから避けろ、ということになっているということなんですね。

 

六曜の3日目は「先負」ですから、
「羅刹」の名に比べれば、
ややパンチに欠けると言わざるを得ません。
とはいえ、順番が入れ替わりまくっていると評判の
六曜のことですから、もとの3番目は先負では
なかったのかも知れません。

 

赤口は赤ということから、
火や血、死を連想することに
気をつけろというようなことになっているようです。

 

正直に申し上げて、赤だからなんとなく、
めでたいのかと思っていました。
だって紅白っぽい。

 

私は、今回調べてみるまで
赤口について印象以上のことを
考えたことがなかったんですけど、
調べて観ても、不思議と印象薄いままですね・・・。
まあ凶日のことなんか気にしなくていいか。

 

あ、でも羅刹のことだけは覚えました。

 

六曜はどうして定番になったのか

こんなにグダグダな六曜が、
なぜカレンダーの定番のように
暦に添えられるようになったのか、
という理由を考えてみました。

 

この項目は、インターネットで
小一時間だけ調べたことなので、
これからの話は妄想で補ってあります。
真実をご存じの方はぜひ教えてくださいね。

 

明治の頃に、
政府は太陽暦の採用を徹底する判断をし、
それまで太陰暦のカレンダーや暦注と呼ばれていた
は廃止されることになりました。

 

困ったのは江戸時代に暦を作っていた人たちです。
そういう人たちのことを暦師(弘暦者)と言いました。

 

しょうがないので、政府は、
彼らを集めて、暦の専売業者を作りました。
その会社を頒暦商社(はんれきしょうしゃ)と呼びました。

 

頒暦商社が売るのは、太陽暦のカレンダーです。
しかし、作る方も不慣れなら、買う方も不慣れ。
お客さんは太陽暦のカレンダーには馴染みがありません。

 

そこで、誰が思いついたのか、
それまでマイナー過ぎて、
明治政府にも名指しで禁止されなかった「六曜」を、
カレンダーの日付に添えてみることにしました。
これが売れた。

 

というか専売業者だったので、
六曜付きのカレンダーしか作られなかった
可能性も考えられます。

 

でも複数種類の販売があったとしても、
馴染みのない太陽暦だけが書かれたものよりは、
それまで暦注などで馴染みのあったような
吉兆の印の書かれたカレンダーのほうが、
お客さんにとっても受け入れやすかったように思われます。

 

だから明治政府も、
本命の太陽暦のカレンダーは
ちゃんと売れているわけですし、
特に六曜について咎めなかったのかも知れません。

 

そういうわけで、日本においては、
太陽暦のカレンダーには六曜がついているものだった。
だから六曜は、太陽暦の普及と共に定着した。

 

というのが私の仮説です。

 

六曜まとめ

カレンダー面白いですね。
六曜に付随していろいろ疑問がわきましたが、
気にし始めると眠れなくなるので、
他のことは全部忘れることにしました。

 

また何かの折に気になったら調べます。

 

六曜については、
なんでもない日を何かにこじつけて
めでたがったり感じられることはとても豊かなことだと思います。

 

だから迷信なんてつまらないことを言わずに、
今後もカレンダーに書かれていたらよさそうですね、
なんていうか日本っぽいですし。
他の国のカレンダーには、書かれていないわけですものね。

 

ただ、何かをする日には、
六曜なんかよりもいろんな都合があると思うので、
わざわざ無理してまで、吉日を選んだり、
悪い日を避けたりする必要はないのかなという気がいたします。

 

仏滅が凶日となる根拠のひとつに、
「釈迦の入滅とされる旧暦の2月15日は毎年仏滅だから」
ということがあるそうですが、
どうぞ安心してください。偶然です。
なにせ六曜は、名前も順番も入れ替わっているのですからね。

 

でも祝い事と吉日が、たまたま重なったら、お得です。
その分めでたい気持ちを味わえます。
凶日と重なったからといって、どうせグダグダですから、
気にせず放っておけばよいと私は思います。

 

うーん、今回の記事のモテ度はどんなもんでしょうか。
誰も気にしない「いい人どまり」な気がいたします。
カレンダーにないと寂しいけど、
なくても困らない六曜みたいな感じで・・・。

 

ちなみにこの記事を書いていた、
2013年の9月29日は友引で、
アップした9月30日は先負でした。

 

それじゃあ、またねー。

 

 

 


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